Java 無名(匿名)クラスを意識して使ってみる
Javaでプログラムの基本は、クラスのインスタンスを生成し、そのインスタンスから目的のメソッドを呼ぶところにあると思いますが、結果的に一度しかインスタンス化されないクラス(オブジェクト)があったり、ある特定のクラスからしか必要とされないインスタンスがあったりします。
自分はプログラミングする際、1つのクラスに多くの役割を持たせたくない(役割分担させる)ため、クラスを細かく定義することを基本にしていますが、中には一度しかインスタンスが生成されない、メソッドが一つしかないクラスを作ってしまうことがあります。
特に大きな問題になる訳ではないですが、単純な処理しか行っていないのであれば、そのメソッドを定義する無理にクラスを定義せずに、その処理を必要としているクラス内に含めてしまっても良いかもしれません。
無名クラスという仕組みを使えば、インターフェースを実装したクラス(あるいはあるクラスを継承したサブクラス)の宣言を省略することが出来るので、その辺りを上手く使えないかと試みたのですが(今までは意識して使ったことなし)。
クラスを定義しインスタンスを明示的に生成する場合
interface Dao { String getData(); } class MySqlDao implements Dao { @Override public String getData() { return "MySql data from MySqlDao.class"; } }
MySqlDao mySqlDao = new MySqlDao();
System.out.println(mySqlDao.getData());
Dao インターフェースを実装した MySqlDao クラスを定義しています。
呼び出し側では、そのインスタンスを生成しています。
無名クラスを使う場合
interface Dao {
String getData();
}
Dao mySqlDao2 = new Dao() { @Override public String getData() { return "MySql data from anonymous class"; } }; System.out.println(mySqlDao2.getData());
まるで Dao のインスタンスを生成しているように見えますが、ここでは Dao インターフェースを実装した無名クラスのインスタンス(mySqlDao2 )が生成されていることになります。
※そもそもインターフェースのインスタンスを生成することはできない
結局、クラスの宣言と利用を同時に行っているだけではあるのですが、これによって MySqlDao.class の定義を省略することが可能になりました。
管理するクラスの数が減るという面でメリットがあると思います。
一方で”無名”のクラスになってしまうので、そのクラス名からどのような役割を持っているのかを推測することが出来なくなります。
例が悪かったですが、Dao などは外部から呼び出される前提のクラスになると思いますので、広く使われるようなクラスは無名クラスにするべきではなさそうです。
本当にそこでしか使わない(使い捨てに出来る)クラス限定で適用するものかと思います。
さらに無名クラスになれるのは、インターフェースを実装したクラスあるいはサブクラスに限定されるので、今のところ個人的には活躍の場はそれ程ない見込みです。